古物商許可|営業所の基本知識と物件を決めるときのポイント

古物商の許可要件のひとつ『営業所』

古物商の許可を取得するには、次の3つの条件をクリアする必要があります。

1.営業所を用意できること   

2.管理者がいること

3.欠格要件に該当しないこと 

  【個人の場合】申請者・管理者

  【法人の場合】申請者・管理者・役員全員(監査役含む)

今回は、古物営業の拠点となる『営業所』についての基本知識と物件を決めるときのポイントをお伝えします。

古物商の営業所とは?

古物商の『営業所』とは、古物営業の拠点となるところをいいます。

実際に古物を買い受け、販売したり、レンタルしたりする場所です。

申請書の様式に『2.営業所なし』という選択肢があるので紛らわしいのですが、『営業所あり』が原則です。

インターネットによる取引だけであっても『営業所』は必要です。

その場合は、事務作業をする場所が『営業所』になります。

『主たる営業所』とは?

古物商許可の申請書類は、『主たる営業所』を管轄する警察署に提出します。

営業の中心となる営業所が『主たる営業所』です。

【営業所がひとつの場合】 その営業所が『主たる営業所』

【営業所を複数設置する場合】 実態上、古物営業の中心となっている営業所が『主たる営業所』

法人の場合、主たる営業所=登記されている本店と思われがちですが、実態として営業の中心であるかどうかがポイントです。

登記上の支店であっても、その支店がメインとなって古物営業をおこなっていれば『主たる営業所』になります。

営業所には次のことが義務づけられています

● 古物商許可標識(古物商プレート)の掲示 

● 古物台帳の備え付け

● 常勤・専任の管理者1名を設置  

古物商許可標識(古物商プレート)の掲示

営業所には、古物商プレート』を”公衆の見やすい場所に掲示”しなければなりません。

警察による営業所の立入り調査では、プレートを掲示しているかチェックされます。

古物台帳の備え付け

古物の取引を記録した『古物台帳』は、営業所で保管しなければなりません。

パソコン等でデータとして保管する場合は、すぐにプリントアウトできるように保存しておく必要があります。

この『古物台帳』も立入り調査の対象になります。

常勤・専任の管理者1名を設置 

営業所ごとに配置が必要な『管理者』。

管理者』は、古物営業の責任者であり、警察からの捜査協力などの窓口になるので、常勤専任であることを求められます。

遠隔地に住んでいる役員等がたまに顔を出す、というようなケースは、常勤と認められません。

管理者になる方の住所が営業所からどのくらい離れていれば『遠隔地』になるのかはハッキリとした規定がなく、曖昧です。

警察署によって多少異なる場合がありますので、やはり事前の確認が必要になります。

営業所や管理者の条件が折り合わずお困りのときは、あきらめる前に一度ご相談ください。解決策がみつかるかもしれません。

営業所に必要な要件は?

古物商の営業所は、次の3つの要件を満たす必要があります。

● 実在性  実際に存在し、実態があること

● 独立性  独立して管理できること

● 使用権原があること その物件を使用する権利があること

この要件をふまえて、物件を決める必要があります。

実在性がないバーチャルオフィスはNG

住所や郵便ポスト、会議スペースなどが借りられるバーチャルオフィス。

法人登記が可能な物件もあるので「古物商の営業所として使用できるのでは?」と思われるかもしれませんが

バーチャルオフィスは、実在性の観点から営業所として認めてもらえません。

レンタルオフィスは独立性がポイントに

レンタルオフィスの場合、物件によって異なります。

独立して管理できる構造であるかがポイントで、単にパーテーションで区分けされているだけでは認められません。

他の事業と併せて古物営業をおこなう場合や物件を共同で利用する場合などは、必ず事前に警察署に相談するようにしましょう。

自己所有の物件を営業所にしたいとき

申請者ご本人が所有する物件を営業所にする場合も、上記の営業所に求められる義務や要件を満たしているか確認しましょう。

自己所有であることを証明する書類として、建物の『登記事項証明書』が必要になる場合があります。

マンションについては、管理規約に『住居専用』『営業活動の禁止』と定められていないかを確認します。

管轄警察署によって『管理規約』のコピーや管理組合の『使用承諾書』をもとめられるケースがあるからです。

この『使用承諾書』が思わぬハードルになりがちですが、『不特定多数の人が出入りしなければ』といった条件付きで承諾が得られることもあります。

お困りの方は、あきらめてしまう前に一度行政書士に相談してみてはいかがでしょうか。

賃貸物件を営業所にしたいとき

賃貸物件の場合も営業所の義務や要件を備えていることが前提です。

自宅としてすでに借りている物件も、条件がととのえば営業所として認められます。

証明書類として『賃貸借契約書』のコピーが必要になりますが、使用目的が『住居専用』となっていないか確認しておきましょう。『事業用』ではなく『住居専用』『居住用』であれば、オーナーさんや管理組合などの『使用承諾書』が必要になることがあります。

『事業用』『事務所』『店舗』として借りている物件であっても『使用承諾書』の提出を求められることがありますので、古物商の営業所として使用したいときは、トラブルを未然に防ぐためにも事前にオーナーさんや管理会社などに確認することをおすすめいたします。

おわりに

今回は、古物商の『営業所』に関する基本知識、営業所となる物件を決めるときのポイントについてお伝えしました。

古物商許可の申請書をダウンロードしてご覧になったことはありますか?

書類の作成はさほど難しくない印象を受けると思います。

ですが、いざ申請するとなると思わぬ壁にぶつかることがあります。

管轄警察署によって多少ルールが違うことがあるからです。私もありました(笑)

しつこいようですが、ご本人が申請する場合は、管轄警察署へ事前に相談することオススメします。

自分で手続きするのは面倒!

早く許可が欲しい!

”思わぬ壁”が…

など、古物商許可でお困りの際は一度ご相談ください。

許可が取得できるようサポートいたします。

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